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下層雲

(1) 層積雲(Stratocumulus) 英字略語(Sc)
層積雲は灰色または白っぽいか、あるいは灰白色の片、薄い板状、層状の雲で、モザイク状、丸みをおびた塊、ロール状または層状の雲で、雲にはたいてい陰がある。この塊はくっついていることもあり、離ればなれになっていることもある。比較的規則正しく配列した雲の塊は視角5゜以上の幅である。

ア 層状の層積雲

a 層状の層積雲
ロール状または大きな丸い塊が広範囲な薄い板あるいは層状に配列していて太陽や月を隠してしまう不透明な雲である。
雲の塊は平たく伸ばしたような外観がある。このタイプの雲の厚みは500~1000mの間である。
ときに2つまたはそれ以上の雲層が上下に重なっているときがある。

b レンズ状の層積雲
レンズまたはアーモンド状の形をした層積雲である。このタイプの層積雲はかなりまばらに出現する。これらの雲は地平線上30゜以上の仰角で観測されるときは5゜以上の幅である。また雲は多少なめらかに見え、通常暗い雲塊である。

c 積雲から変化した層積雲
このタイプに属する雲は、おおよそ次の3つがある。
① 積雲の発達過程で安定層に達し上方への発達を阻まれ横に広がった層積雲。
② 上空の強い風のシアーによって積雲の上部が平らになってできる層積雲。
③ 夕暮れになり対流が弱まり積雲の上部が平らになってできる層積雲。

イ 積雲状の層積雲

a 塔状の層積雲
小さい積雲が集まったような雲塊で構成されている層積雲である。共通の水平の底から立ち上がり、線上に並んでいる。

(2) 層雲(Stratus) 英字略語(St)
通常、一様の雲底をもつ灰色の雲で霧雨、霧雪、細氷が降ることがある。
雲を通して太陽が見えるときは、輪郭は明るく確認することが出来る。
非常に低温の場合を除き、かさ現象は現れない。
層雲はときにちぎれ雲の形で出現することがある。
層雲には層状の層雲があるだけで積雲状の層雲はない。

ア 層状の層雲

a 霧状の層雲
灰色の一様な霧状の雲で、雲の底は地面には達していない。
層雲は夜間放射冷却により地面近くに逆転層が形成されたとき、弱い温暖前線が接近したとき、あるいは霧の消散段階で霧がゆっくり上昇して地面から離れ、ある高度をもったときなど、気層が安定している場合が多い。

b 悪天時の層雲
暗灰色の不規則な形をした雲で、通常、母雲(乱層雲)からの降水が乱流により飽和の状態になり発生することが多く、このため絶えず形状が変化しながら移動する。
この悪天のちぎれ雲は、母雲を隠すくらい雲量が増加することがあり、ちぎれ雲は母雲の雲底と融合すると、あたかも母雲の雲底が低くなったように見えることがある。
雲の状態がこの型のときにみられる降水は、上にある母雲の種類によって連続性降水か、しゅう雨性降水であるかが決まる。

(3) 積雲(Cumulus) 英字略語(Cu)
積雲は通常濃密で輪郭がはっきりし、こぶのように盛りあがり、ドーム状または塔状で鉛直上方に発達し、ときに膨れ上がった頂がカリフラワーに似ている。
太陽に照らされた部分は白く輝いて、雲底付近は相対的に暗く、底は水平に見える。
日射によって地面が熱せられたり、相対的に暖かい地面や海面上で寒気が温められておこる対流によって発生することが多く、その形は上層の気層の状態によって決まる。
積雲は発達の過程により3つに分けて説明する。

ア 偏平な積雲
発生初期の積雲で、小さめで白く多少雲に陰がある。鉛直にはそれ程発達していない。
低い山の頂に近いところ、また煙霧が現れている層の上限付近にぽっかり浮かんでいるように見える。
この段階の積雲の厚みは数10~数100mである。
また、この初期の状態以上に発達しないときは、その雲のできている層より上は気層が安定していることを示すものである。
この雲からの降水は山岳などでまれにある。

イ 並程度に発達した積雲
白色または灰白色の不透明な雲で、雲の頂はこぶのように盛り上がりがある。
雲底は横から見るとほぼ水平に見える。
雲の厚みは数100~2000m程度に鉛直に発達している。
夏期においては、この雲からは通常降水はない。しかし、山岳や冬期の日本海側では降水を見ることがある。
雲の中での上昇気流は5m/sを超えるときがある。

ウ 雄大に発達した積雲
並の程度の積雲がより発達すると、雄大積雲となる。雲は約2000~5000m位までに鉛直に発達する。
雲の頂部はカリフラワー状になり、雲底付近は比較的に暗く、雲底はほぼ水平である。
この雲からはしゅう雨性の降水を伴うことがあり、かなり強く降ることがある。
この雄大な積雲が観測者に近づいたときや、他の雲塊にさえぎられるなど雲頂を確認できず、雄大な積雲か、あるいは無毛状の積乱雲であるか判定できない場合は、その雲からの雷電現象や強いしゅう雨性降水(特にひょう)がある時は積乱雲とする。
また、この雲の中では上昇気流がときに10m/sを超えることがある。

エ 悪天時のちぎれた積雲
高層雲、乱層雲、積乱雲などの下に積雲状の暗灰色の片雲が現れることがある。
悪天時の層雲の項を参照。

(4) 積乱雲(Cumulonimbus) 英字略語(Cb)
鉛直上方に大きく発達した濃密な雲で、外観は山や巨大な塔のような形をしている。
発達した積乱雲の頂は10kmを超えることがある。
雲の頂きの一部は、ほつれているか毛状をしていて、平たくなっていることが多い。
この部分はしばしば、かなとこ状または羽毛状に広がっている。
雲の底は非常に暗く、下にちぎれ雲を伴うことがある。この雲が頭上にくると、太陽光をさえぎり空は混沌とした様相になる。
雲の中ではしばしば、上昇気流は15m/sを超えることがある。
積乱雲は外観の形状から無毛状の積乱雲と多毛状の積乱雲に分けることができる。

ア 無毛状の積乱雲
上部の盛り上がりは、あまりはっきりしないで平たくなり、積雲状の輪郭を失い始めているが、まだ繊維状、すじの部分がはっきり現れていない。こぶ状の部分は、多少鉛直なすじのある白い塊に変わりつつある。輪郭はややぼやけ白みがかった外観をしている。繊維状、すじ状は認められない。

イ 多毛状の積乱雲
上部があきらかに繊維状またはすじのある構造をなす巻雲状の部分を持ち、しばしば、かなとこ、羽飾り、また多少無秩序な毛髪のかたまりのような形をしている。

ウ 積乱雲に伴う現象
降水がないときに、雲底に乳房雲、ロート状雲が現れることがある。
このような雲が出現しているときは、竜巻の発生に注意する必要がある。
積乱雲は、下降噴流(Down-burst)による突風、雷電現象、強いしゅう雨性降水(雨、雪、雪あられ、氷あられ、ひょう)を伴うことがあり注意が必要である。

「上層雲、中層雲、下層雲とは」へ


出典:気象庁 地上気象観測指針


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