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上層雲

(1) 巻雲(Cirrus) 英字略語(Ci)
巻雲の組成は氷晶が集まってできている。通常はもっとも高いところに出現する雲である。典型的な繊維状の構造をもち、白く繊細で、巻毛のような外観あるいは絹のような艶あるいはその両方を呈し、分離した雲である。

ア 繊維状の巻雲

a 毛状の巻雲
ほとんどまっすぐか、または多少不規則に曲がった白いすじからなり、すじは細く末端はかぎやふさ状になっていない。時には不規則に曲がったり、もつれて見えることがある。
この雲はまた平行に帯状に並び、見かけ上地平線に収束しているように見えることがある。この場合一部が巻積雲や巻層雲になっていることがある。
またわずかに異なった層に2重に現れることがあるが、これは毛状の巻雲または次に述べるかぎ状巻雲の一種である。

b かぎ状の巻雲
しばしばコンマのような形をしていて、頂上がかぎまたはふさ状をしているが、ふさの上部は丸いこぶ状の形はしていない。もしこぶ状をしているときは後述するふさ状の巻雲である。
ときに魚の骨格に似たような形状で現れる巻雲は毛状またはかぎ状巻雲の一種である。

c 濃密な巻雲
十分に濃密で分離した片で、太陽の方向にあるときは灰色みをおびて見える。太陽にベールをかぶせたようになり、太陽の輪郭を不明確にする。また太陽を完全にかくすこともある。これらのふちは、ときには糸がもつれたようになっていることがある。
濃密な巻雲はしばしば積乱雲の頂部からも生じることがある。
後述のCHの符号化の場合に、濃密な巻雲は積乱雲から発生した雲とそうでない雲で符号が分かれるので、雲の変化に注意が必要である。

イ 積雲状の巻雲

a 塔状の巻雲
かなり濃い巻雲で小さく丸いそして繊維状のやぐらまたは塊が共通の底より立ち上がっている。
そしてしばしば西洋の城壁のような形をしている。こぶのようなやぐら状にもり上がった部分の見かけ上の幅は、地平線から30゜以上の仰角で見たときは1゜内外である。

b ふさ状の巻雲
多少孤立した小さく丸いふさ状の巻雲で、しばしば尾を引いている。ふさの見かけ上の幅は地平線上30゜以上の仰角で見るときは1゜内外である。

(2) 巻積雲(Cirrocumulus) 英字略語(Cc)
ほとんど例外なく氷晶でできている。巻積雲は薄く、白い塊で、雲に陰がなく、非常に小さな丸い塊が規則的に集まり、ときにはさざなみ状を呈することがある。
個々の塊は通常はなれてすき間があるが、くっつきあっていることもある。
大部分の塊は地平線上30゜以上の仰角で観測されるとき、見かけ上の幅は1゜以下である。
光冠や彩雲現象が現れることがある。

ア 層状の巻積雲
a うろこ状の巻積雲
比較的広範囲に広がり、外観が魚のうろこ状に似た巻積雲で、時々すき間や割れ目が1つまたは2つ以上の波状を示すことがある。
層状の巻積雲が広範囲に広がったときは、巻積雲の端は巻層雲または巻雲と共存しているのが普通である。

b レンズ状の巻積雲
巻積雲の小片がレンズ状またはアーモンド状を呈し、普通はっきりした輪郭をもっているが、非常に長く伸びることが多い。これらの多少孤立した雲はたいていなめらかで、全体が非常に白い。

イ 積雲状の巻積雲

a 塔状の巻積雲
巻積雲のいくつかの雲塊が共通の水平な底部から鉛直に発達して小さなやぐら状を呈することがある。地平線上30゜以上の仰角で観測されるとき、やぐらの見かけ上の幅は1゜以下である。
この雲の存在はその層が不安定であることを示している。

b ふさ状の巻積雲
巻積雲が非常に小さい積雲形のふさ状雲からできている。ふさ状の底の部分は多少ほつれている。
地平線上30゜以上の仰角で観測されるとき、ふさの見かけ上の幅は1゜以下である。
この雲の存在も塔状の巻積雲と同様に、この層に不安定の存在を示している。

(3) 巻層雲(Cirrostratus) 英字略語(Cs)
巻層雲は主として氷晶からなり、透き通った、繊維状または層状(ベール状)の白っぽい雲で、通常、空の一部分または全天を覆う。
太陽や月を覆うとかさ現象が現れることがこの雲の特徴である。
巻層雲は肉眼ではわからない位に薄いものから、かなり厚いものまであり、特に高層雲と見分けにくいときがあるが、巻層雲では日中太陽による物体の陰が地上に現れること、およびかさ現象によって判別する。
ときに巻層雲は雲に繊維状のすじが見えることがある。

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出典:気象庁 地上気象観測指針


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